アドベンチャーワールド遠征記

パンダラブツアー体験中心に白浜パンダ色々

オタク、パンダの王国へ行く~プロローグ~

 

最初に書いておくが私はいわゆるオタクである。趣味も気質も含めて自他ともに認めるオタクだ。普段はツイッターで好きな作品だの俳優だのについて、ああでもないこうでもないと日々ダラダラと呟いている。

 

そんな自分が2017年、とあるものに夢中になった。

 

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シャンシャン

 

元々パンダは好きだった。幼稚園の頃、祖父が忘年会の景品でもらってきたパンダのぬいぐるみに『パンダポンダ』と名をつけ、屋内だろうが屋外だろうが川遊びだろうがどこへでも連れて行ったほどだ。白黒だったはずのパンダポンダは数年で灰色になり何度も首や手足が破れ、引っ越しと自分のアレルギー発症によりお別れせざるを得なくなった時は大泣きした。…そんな話はどうでもいいのだが。

とにかくパンダが好きだった。だが居住地が南関東とはいえ、パンダが住む上野動物園は家から余裕で1時間以上かかる遠い遠い場所。人生の中で上野に行ってパンダを見たのは子供の頃含め2回ほどしかなかった。見たのは1代前のリンリンと、多分フェイフェイかホアンホアンのどちらかだと思う。

パンダは好きだがあれは動画や写真やぬいぐるみなどを見てかわいいかわいいというものだと思っていた。…その認識を打ち破ったのがシャンシャンだった。

 

シャンシャン誕生直後からその愛くるしさに夢中になった自分は一般公開開始直後の抽選に応募しまくった(といっても週末だけだが)、そして落ちまくった。シャンシャンは私を愛してないのね、などと意味不明なことを呟きながらいつかシャンシャンを生で見られる日を夢見ていた。そして2018年2月、抽選から先着順になり、やっとシャンシャンをこの目で見た。そして2週に1度通うことになった。―――といっても、今回の本題はシャンシャンではない。

 

世間がシャンシャンフィーバーに沸く中、知事さんその他の和歌山や関西の関係者達は盛んに言っていた。

「和歌山のアドベンチャーワールドにはパンダが5頭もいて好きに見られるのに上野は騒ぎすぎ」

いや和歌山にパンダがいるのは知ってるけどシャンシャンはいないじゃん、っていうか私のシャンシャンにケチつけるのかオラ。少々ムッとしつつ、でもパンダ5頭はいいな…と検索してみたら。「広い敷地でのびのび暮らすパンダ達を心ゆくまで見られる」「パンダにおやつがあげられるバックヤードツアーあり」え、なにそれ素敵。いやでも、和歌山は遠いなあ…。

自分の趣味及び活動ジャンルは演劇で、遠征で関西に行くことが年に何度かある。だから劇場が多い大阪駅周辺と西宮には馴染みがあるし、そのあたりだとまったく抵抗がなく飛んでいく。だが申し訳ないことに、南関東の住人である自分にとって上記地域以外の関西は『よくわからないけど遠い』という認識。なので当初は「和歌山のパンダ、いつかは見に行きたいねえ」くらいなものだった。

 

ところが。シャンシャン公開によりパンダ熱が高まった自分、それに加えて2月中旬頃に体調を崩して以降は病院とお友達な生活に。ちょうど仕事が節目を迎えたこともあり、「記念と気晴らしにパンダのバックヤードツアーに行きたい」とうっかり思ってしまった。

調べると基本的に毎月1日の11時頃から翌月のツアーの受付をするらしい。先着順で各日定員15名。値段は50分7千円だが「50分も世界的アイドルの楽屋にお邪魔してマネージャー…もとい飼育員さんの裏話を聞けて、しかもご本尊と会えてお話…はできないけど、手紙も渡せないけど、でも貢ぎ物(=おやつ)を直接渡せて2ショ撮れてフリーで撮影もできて、それでこのお値段ならお得かも」という、芸能系界隈にいる人ならまあわかってもらえるだろう金銭感覚の前ではまったく無問題。

他にJALがパッケージツアーの付属で同じツアーをやっているらしいが、申込みは2名から。試しに家人に「ねえ、和歌山行きたくない?」と聞いてみたが。「いいねえ、熊野古道高野山?」「…いや…パンダにおやつをあげられるツアー…」「あ、パンダはいらない」ですよねー興味ないの知ってたし。

 

ところで自分はフルタイムで働いており、職場に携帯端末類を持ち込めない職業だ。そして月末月初は繁忙日で休暇申請ができないことになっている。なので1日が平日の場合、パンダラブツアーという名のバックヤードツアー申込そのものに参戦できない。和歌山行きは『1日が土日祝にあたる月の翌月』に限られる。

その時点で1日が土日祝になる直近の月は4月。ってことはパンダに会いに行けるのは5月だ。うん、一番好きな俳優の舞台は入っていない。オッケーオッケー、これも天の配剤だろう。

 

ってことで4月1日、スマホとPCとでパンダラブツアーのチケット争奪戦に。何度も言うが自分の趣味兼ジャンルは演劇、発売日のチケット取りは十年以上前から百回以上は経験している。素人さんに負けるわけにはいかない。

11時、おっしゃー行けーっとぽちっとしたものの。そこまでサーバが強くないのか、繋がるものの最後の最後でエラー表示の繰り返し。うわーこれ一番嫌なパターン…!と冷や汗をかきつつしばらく粘ってたら、ふっと次の画面へ。や、やったああああああああパンダに会えるよおおおおお!!

 

ってことで決行は5月の19日に決定。ついでにまだ余裕があった『パンダ塾』も申し込む。こちらはパンダとのご対面はないものの、バックヤード見学と飼育員さんによる解説が聞けるというもの。パンダのことを飼育員さんから直接聞ける機会なんてそうそうない、少なくとも上野ではほとんどない。貴重な機会は最大限活かさせてもらわねば。

 

羽田ー南紀白浜空港間往復の飛行機が全然取れなくて、特急くろしおでの当日移動では開園時間に間に合わなくて、なんだかんだで金曜も休みを取って関空から高速バスで白浜入りすることになったり、白浜のお手頃かつ1人客OKな宿がほとんど見つからなくて苦労したり、前述の体調不良がとうとう大学病院送りになったものの「ヤバいものが見つかったら遠征が中止になる!」と各種精密検査の結果確認受診の日程を遠征後に設定すべく画策したりと、様々なハプニングがあったものの、

(後で知ったことだが自分が行く予定の土日に白浜町では国際トライアスロン大会が開催予定で、白浜町周辺の数百人分の部屋が大会関係者によって押さえられていたのだった。おそらく飛行機も同様)

なんとか足も宿もゲットしてあとは当日を待つばかりに。ぐはー、ついにパンダ王国だー!

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いてもたってもいられず、こんなのまで作った。痛バッグ文化とはジャンル的に無縁だったオタク、正直あれの意味がわからなかったがやっと掴めた。オタクとは萌えが高じると萌え対象のバッグを作る生き物だったのだ。なんでそんな習性があるのかは相変わらずさっぱりだが。

 

 

☆追記☆

自分が和歌山遠征した時によそ様の遠征記の交通手段や宿泊地記載などがずいぶん参考になった。なので自分も書いておく。

行き:羽田→関空(飛行機)→りんくうタウン駅(在来線)→白浜桟橋(高速バス・大阪白浜便)

帰り:ホテル→大阪・難波OCAT(ホテルの送迎バス)→関空南海電車)→羽田(飛行機)

 

1泊目:ルアンドン白浜

(急遽前泊を決めたものの、当日仕事を休めるかが直前まで不透明だったので「素泊まりor朝食付き、女性1人旅なのでバストイレ洗面が室内完備、駅or高速バス停留所から徒歩すぐ」の条件で探したところ。家族経営風の小さな宿で部屋が広く綺麗。でも温泉ではない)

2泊目:白浜古賀の井リゾート&スパ

(いい意味で「最新リゾートホテルの皮をかぶった昔ながらの観光ホテル」。放っておいてくれるところと甲斐甲斐しく世話してくれるところのバランスがいい。ツインルームをシングル利用させてもらったがとても快適だった。あと事前予約すれば白浜ー難波間の高速バスが無料)

 

白浜町内はいわゆるビジネスホテルがほぼないと言ってもいい。個人客に人気の廉価帯ホテルは研修所や保養所からの転用なのかバストイレ共同のところが多いので、そういうのが苦手な人はちょっと注意が必要かも。

 

 

ってことで続く。

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