アドベンチャーワールド遠征記

パンダラブツアー体験中心に白浜パンダ色々

オタク、日帰りでパンダの王国へ行く


昨年5月、パンダ好きのオタク女がこんな記事を書いた。

cafenoir-panda.hatenablog.com

 

内容はいたってシンプル、『パンダにハマったオタクがアドベンチャーワールドへ行きました』というだけの話なのだが。

その後もパンダ熱はとどまることを知らず、所用で大阪に行ったついでに3時間で神戸の王子動物園まで弾丸往復してタンタンを見てきたりなどした。

f:id:cafenoir-panda:20190428094339j:plain

(タンタン)

麻布大学でのアドベンチャーワールド飼育員・遠藤さんのトークイベントにも参加させてもらい、よいお話をたくさん聞けた。上野動物園にも南関東の端からなんとか1ヶ月に1度通っている。世の熱烈なパンダマニアの皆さんからしたら、水際でちゃぷちゃぷしている程度の浅さだとしても。

 

で。昨年、前年のシャンシャン誕生に続いておめでたいニュースに世間がわいた。アドベンチャーワールドで新たなパンダが誕生したのだ。75gという超低体重で生まれた仔パンダ『彩浜』は飼育員さん達と母親良浜の懸命な世話ですくすくと成長し、かわいらしい姿で日本中の人々を魅了している(と思う)。

自分はテレビやアドベンの公式ツイッターなどで誕生当初からその成長過程を見ていたが。次第にまた悪い虫がうごめきだした。

「…仔パンダ、見たいなあ…」

前回ブログに書いたとおり、シャンシャンは生後6ヶ月の12月から公開になったものの当初の観覧は超高倍率の抽選で、そして自分は外れまくったため実際に見られたのはそれから2ヶ月後の2月。シャンシャンは生後8か月になっていた。いや、生後8ヶ月だろうが1年半だろうがシャンシャンが愛くるしいことに変わりはないが、だが公開直後の小さな仔パンダ時代を生で見られなかった悔いは残っている。

上野と違い、アドベンはかなり早い段階から仔パンダを公開している。そして観覧方法は抽選ではなく並べば誰でも見られ、1日何回何分という制限もない。つまり、見ようと思えば絶対に見られるのだ。…これ、行くしかなくない?

 

そこからまた和歌山遠征計画が始まった。仕事や他の用事との兼ね合いで決行は2月頭に決定。再び家人を誘ったが「パンダはいいや。好きに見ておいで」との答え。オタク行事に興味ない素人を付き合わせると互いに不幸だというのは経験でわかっているので、今回も1人旅となった。

が、ここで困ったことが。土曜朝の羽田→南紀白浜便は取れたが、日曜夕方の復路が満席で取れない。また関空経由かあるいは特急くろしおかとも思ったが、日曜が移動だけというのは宿泊費含めてもったいなさすぎる。さてどうする…悩んでいるうちにふと気づいた。

「…土曜夕方の南紀白浜→羽田便、まだ空いてる…?」

アドベンの閉園が17時、羽田行の最終便出発が18時40分。調べてみたらアドベンから空港まではバスで10分弱。…これ、頑張れば行けるのでは。

家人からは「日帰りなんてもったいない。温泉地に行くんだから一泊すればいいのに」と再三言われたが、観光も温泉も前回体験しているので特に惜しいとは思わない。羽田に20時前に到着できればその日のうちに余裕で帰宅できる。決まった、日帰りだ。

 

 

 

そして2月2日早朝、羽田空港

f:id:cafenoir-panda:20190421201229j:plain

検査場を抜けて第一ターミナルを端までテクテクテクテク歩き、たどり着いたのは階段を下りたところにある小さな搭乗口。小さい空港行きの便にありがちな、バスで飛行機のそばに行くあれ。

ちなみに搭乗口に並ぶ人々の半数以上の荷物や衣服などにパンダがついていて、上野動物園の入園口前かと錯覚しそうになった。さすがパンダ王国への直行便。

f:id:cafenoir-panda:20190421201230j:plain

(パンダ王国への入口)

 

1時間ちょっとで90人乗りの痩せた小さい飛行機は小さな小さな空港へ降りた。都内の平均的なJR駅サイズの空港を出て外の路線バス乗り場に並ぶ。バスは十数分後に来たと思う。

f:id:cafenoir-panda:20190421201231j:plain

南紀白浜空港の手荷物レーン。パンダ推し)

やってきたバスに乗った…と思ったら5分かそこらでアドベン到着。実は空港の隣。動物達は離発着うるさくないのか?と思いそうだが、朝昼夕の3往復しか飛行機飛んでないからあまり気にならないのかもしれない。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201233j:plain

開園50分前の入園口。先頭付近の人達は車で来たのか、椅子などを持ち込んだ重装備。上野の開園前入園口と同じで『いつもの面々』が顔見知り状態になってるらしい、のはいいのだが。常連らしき一部の人があとから来たお仲間を列の前方に引き入れていく悪しきやり方も同じなのには少々閉口した。

f:id:cafenoir-panda:20190421201234j:plain

昨年5月にはなかった注意事項。やはり混雑度合いが違うらしい。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201235j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201236j:plain 

開園5分前から始まる宴…もとい、歌って踊ってクイズやる会。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201237j:plain

そんなこんなで10時、開園。昨年5月は好き勝手に移動できたが今回は上記のとおり、パンダ帽をかぶったスタッフさん達が人波の前方に数人並び、いわばマラソンのペースメーカーのように速度をコントロールしながら彩浜親子のいるブリーディングセンターへと誘導していく。

f:id:cafenoir-panda:20190421201250j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201251j:plain(愛らしく飾り付けられたブリーディングセンター入口)

 

 

ブリーディングセンターまでは5分かそこら。幸いにも前から三十人くらいの位置を取ることができたのでそのまま建物内へと進む。

…って。いたあああああああああ!!

f:id:cafenoir-panda:20190421201239j:plain

小さい!白い!ふわふわ!

f:id:cafenoir-panda:20190421201240j:plain

かわいい。かわいい力ハンパない。大迫選手どころじゃないハンパなさ。うわあなんだこの破壊力。

明るい室内でごろごろする母親良浜、そして周囲をうろちょろしている彩浜(※当時生後6ヶ月弱)。めっちゃくちゃかわいい、かわいい以外の言葉がない。

f:id:cafenoir-panda:20190421201242j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201243j:plain

スマホのカメラしかないのでたいした画像でもないのだが、それでもあふれ出るかわいらしさ。

立ち止まらないで観覧するように言われるが、そこまで殺伐としていないのでシャッターを切りながらゆっくり移動。上野と一番違うのは建物外に出ている最後尾以外は並んでいる人々の隙間からでも母子が見られるということで。殺伐としてないのはそういうのもあるのかなと思った。もちろん、観客の絶対数が違うというのが一番大きいとしても。

f:id:cafenoir-panda:20190428095457j:plain

こんな感じで隙間を縫って見ることが可能。彩浜が何かするたびに群衆から歓声やどよめきが。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201308j:plain

観覧が終わると外で父親・永明がカメラ目線でお出迎え。元気そうでなにより。ちなみに永明の庭エリアはあまり人がいないので好きなだけ見られる。

 f:id:cafenoir-panda:20190428095458j:plain

この日、屋外にある列最後尾札は常に待ち時間30分表示だったと記憶している。実際はもっと短かったような気もするが。

ただ、上でも書いたが屋内に入れば大半の時間は隙間から見えるので、パンダが一切見られないのは多分10分かそこらじゃないかと思う。そういう意味でも観客のストレスが少ない構造の建物だ。

f:id:cafenoir-panda:20190421201247j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201248j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201249j:plain

お母さんにじゃれつく彩浜。度が過ぎると教育的指導が。

 

 

 

11時までに2~3周しただろうか。いったんブリーディングセンターから撤収してマリンライブでのイルカショーへ、そして終演後は混みはじめる前に昼食を済ませることにした。

f:id:cafenoir-panda:20190421201257j:plain

f:id:cafenoir-panda:20190421201300j:plain

f:id:cafenoir-panda:20190421201259j:plain

 パンダ目当ての自分でも見に行かずにはいられない素晴らしいショーなのだが、天気が良いと逆光になりすぎて撮影すると真っ黒になるという難点が。1日3回やってるのでパンダ観覧の合間にでもいいから見に行ってほしい。ちなみにプールの向こう側は空港なのでタイミングが合うとイルカの後ろで飛行機が離発着する。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201301j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201302j:plain

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201303j:plain

 昼食は子世代パンダ3頭が暮らすパンダラブ近くにある『ふれあいの里』パン工房で。人手が足りないのか20分ほど待たされたが、パンダ尽くしがかわいかったので実質待ち時間ゼロ。

ここ以外にもテイクアウトから軽食、本格的レストランまで色々あるので、繁忙期の12時半前後でなければほぼ並ばずに食べられると思う。

 

 

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201305j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201307j:plain

再びブリーディングセンターへ。お昼時は空くかと思ったがそうでもなかった。彩浜は相変わらず、良浜にじゃれつきながら展示場内を駆け回っている。かわいい。

 

13時半頃だったろうか、飼育員さんからこんな放送が入った。

「ただいま授乳が始まりました。授乳が終わるとたいてい、彩浜はしばらくお昼寝します」

f:id:cafenoir-panda:20190421201309j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201310j:plain

行列の隙間から撮影。授乳は結構長く、この姿勢のままじっとしていた。自分が最前列に行く頃には寝ちゃっているかもしれないなあと思いつつ、レアかつ愛らしい姿に夢中に。いいんだ、お昼寝しててもかわいいから。

f:id:cafenoir-panda:20190421201311j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201312j:plain

最前列へ。昼寝はしていなかったが眠そう。

 

ここでタイムアップ。良浜彩浜、そして永明と別れてパンダラブへ。なぜかといえば。

f:id:cafenoir-panda:20190421201315j:plain

そう、前回も参加したあれ。といってもパンダにおやつがあげられる『パンダラブツアー』ではなく(※参加してると時間なくなる。というかまず取れない)画像一番下の『もっと知りたい!パンダ塾』の方。

f:id:cafenoir-panda:20190421201343j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201342j:plain

実はパンダ塾、シーズンごとに内容が違ってて、しかも参加テーマごとに受講証に終了スタンプを押してもらえる。なので複数回受講している人も多い。この日は3割くらいが再受講者だったようだ。

f:id:cafenoir-panda:20190421201316j:plain

詳細な内容はネタバレになるので割愛するが、前半は画像の受信機を首から下げてイヤホンをはめ、パンダラブ内を動き回りながら飼育員さんの解説つきでパンダを観察する。一般観覧者と混ざっての観察となるのでイヤホンが必須なわけだ。

 

f:id:cafenoir-panda:20190428111745j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201318j:plain

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201319j:plain

飼育員さんが桃浜観覧エリアからの笹補充を実際に見せてくれた…のだが。目測を誤ったのか投げた笹は堀の中へ落下。すぐさま新しい笹の束を投げたのだが、桃浜は堀に降りて落ちた笹を美味しそうに食べていた。いい子だなあ。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201323j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201324j:plain

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201325j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201341j:plain

 

観察会後はバックヤードへ移動し、スライド画像と映像、そして人形や実際の色々を使ったパンダという生物の解説へ。本来、2月(冬)のテーマは「春に向けた体力作り」だが、彩浜誕生を受けてか解説全体の半分程度が仔パンダの成長についての話だった。

ちなみに上の2頭の仔パンダ画像および人形は、桜浜桃浜の幼少期と誕生時の大きさ模型。 こういうのが見られるだけでも参加する価値は十二分にある。それと随時質問を受け付けているので、実際にパンダを飼育している方に個人的に気になったことを教えてもらえるというとんでもなく貴重かつ贅沢な経験ができる。ご本尊のことをなんでも知りたいオタクにはありがたすぎるアトラクションだ。演劇系で言えばマネージャーに好き俳優のことを根掘り葉掘り聞けるようなものだもの、あるいは演出家に作品の以下同文。二次元で言えば編集さんとか制作会社の人とかそういうあれかな(※なんでもたとえ話にしないと気が済まない系オタク)。

おやつ体験のパンダラブツアーばかりがマスコミに取り上げられるが、パンダ塾も非常に有意義なので、時間に余裕がある人はぜひとも参加をお勧めする。いや、パンダラブツアーとんでもなくすごいけど。世界のアイドル・パンダ様と至近距離で会えるというスーパー貴重体験だけど。

 

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201321j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201327j:plain

末っ子から下から2番目に昇格?した結浜、当時2歳5ヶ月。体重は約82kgになったそう。大きくなったねえ。…っていうか、前回も思ったけど年がわりと近い上野のシャンシャンに比べて随分大きいような。前回来訪時は1歳8ヶ月くらいだったのだけど65kgって言ってた。シャンシャンは先月、1歳10ヶ月弱で54kgじゃなかったっけ。

f:id:cafenoir-panda:20190421201314j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201328j:plain

結浜の姉で桜桃双子の妹・桃浜、当時4歳2ヶ月。たしか95.3kgって言ってたような。大人パンダの雌は100kg~120kgらしいので、もうほぼ大人といってもいいような。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201326j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201329j:plain

前回おやつ体験でお世話になった桜桃双子の姉、桜浜。99kgって言ってたはずなので桃浜よりちょっと大きいのかな。

今回も午後屋外担当だったのだけどプールの縁でずっと寝てて、あーこりゃ顔を見られないかもなあ残念…と思ってたら。16時頃にお目覚めでかわいらしいお顔を見せてくれた。相変わらずの美パンっぷり。

f:id:cafenoir-panda:20190421201332j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201333j:plain

目を細めたおいしいお顔。かわいいオブかわいい。丸顔に大きなお耳の美パンなのに加えて一度近くで会っているのでどうしても贔屓してしまう。

 

f:id:cafenoir-panda:20190421201320j:plainf:id:cafenoir-panda:20190421201335j:plain

ごめん寝桜浜、氷ベッドでぐーぐー結浜(withお食事桃浜)

パンダ塾で「寝相にも個性があります」って飼育員さんがおっしゃっていたのだけど、とりあえず言えるのは「どんな寝相でもかわいい」

 

そんなこんなで17時にアドベンチャーワールド閉園。

16時台はどのお土産売店も混むので早めに動くのが吉。相変わらず、想定されている主要な来園者層は関西圏から自家用車でくる家族連れなのだろうなあというお土産物ラインナップ。いや、それが正しいと言えばそうなのだけど。飛行機でも持ち帰りやすく複数箇所に配りやすい小型で大人向けの菓子、風月堂のアドベンオリジナルゴーフルくらいなのだもの。関東民からすると「なんで和歌山まで行って風月堂…」になるあれ。

あ、そうだ。SNS等でパンダ型の串団子がよく上がってるけど、毎回のように売り切れがでるっぽいので食べたい人は早めに確保した方がいいと思う。自分は2回行って2回とも「あとで食べよう」と後回しにしたら午後売切れに。

 

 

17時10分ちょっとすぎくらいに空港行のバスが出るのだけれど。この日は結構混んでいて発車時にはぎゅうぎゅうだったので、座りたい・確実に乗りたいと思う方はどうぞお早めに。前回も言ったけど各種交通系ICカードは使えず、現金のみ。

f:id:cafenoir-panda:20190421201337j:plain

南紀白浜空港はチェックインカウンター1つ、自動チェックイン機も1つ、保安検査場(っていうか搭乗ロビーの入口にくっついた保安検査の機械)も1つ、搭乗口も空港全体で1つ、お土産物屋もレストランも1つずつ、という超絶コンパクトな空港。どんな方向音痴でも迷いようがない構造。

ついでに言うと保安検査通過後はテレビが1台ある小さな部屋=搭乗ロビーにお手洗いと飲料自販機くらいしかなかった気がする。通常使ってるのが羽田や関空福岡空港といった比較的大きな空港な身にはすごく新鮮。

 

2階のレストランはアドベンと運営会社が同じ、というかアドベンの支店みたいな扱いらしい。入口横でアドベンオリジナルのお土産も一部だが買えるし、パンダもののメニューもちょこちょこある。ただ、空港が小さく休憩できる場所がここ1ヶ所だけということは、つまり1ヶ所に飛行機を乗り降りするほぼ全員が集中するということで。確実に利用したいならバスで空港に着いてすぐ席を確保しに行った方が無難なのかなと思った。実際、18時頃入口をちら見したら席を待っている人の列ができていた。

あと、これは後日ツイッターの濃いパンダマニアっぽい人の呟きで知ったのだが。アドベンの入場半券をレストランで見せると無料で缶バッジがもらえるらしい。らしいというのは「そんなことどこにも書いてなかったぞおい」ということで。

レジの後ろに彩浜画像の缶バッジが入った籠が置いてあるのは見かけていて、「あれどうやったら買えるのかな」と思っていたものの。店員さんは人手が足りないのかレジに常駐している人がいなくて話ができるような雰囲気ではなく、結局機会を逃したままになってしまったのだ。…一部のコアなマニアだけしか知らないのってもったいないし、後から知ったの悔しすぎたので、そういう情報はバンバン流してほしいぞ公式さん。

f:id:cafenoir-panda:20190421201338j:plain

そうこうしているうちに搭乗が始まり、20時には羽田に降り立っていた。そこからリムジンバスに乗り、南関東の端へと一直線。お疲れさまでした。

 

今回の白浜町での滞在時間、約10時間。他の動物やアトラクションをほぼあきらめた結果、ひたすら白黒成分の多い旅だった。提供までの待ち時間含めて35分強の昼食時とマリンライブでのイルカショー20分以外はアドベン内で一切座らなかったので、1人できて正解だった。連れがいたらさすがにこうはできない、気の毒で。

パンダは何歳でもかわいいが、やはり仔パンダのかわいらしさは別格だ。2019年5月現在、彩浜は屋外運動場デビューしてますます活発に愛嬌をふりまいている。アドベンは基本的に1歳の誕生日前後に母子を別展示にするようなので、もし母子が一緒に揃った姿を見たいのであれば8月までに白浜へ行くといいだろう。

 

ということで。

「日曜最終便が取れなければ日帰りすればいいじゃない」がテーマの関東民オタクの旅の記録終了。なにかの参考になれば幸い。

オタク、パンダの王国へ行く~前編~

cafenoir-panda.hatenablog.com

 

 

 

5月19日午前8時半、私は和歌山県白浜駅前にいた。

f:id:cafenoir-panda:20180526211105j:plain

 

前日、朝9時の飛行機で羽田を飛び立ち一路和歌山県へ…と言いたいところだが。前回述べたとおり南紀白浜空港行きのチケットが取れなかったため、まずは関西空港へ。そこから高速バスを使って白浜入りした。飛行機の座席前モニタを見ながら「もうちょっと左に寄ってその辺にある空港に降りようか」と念を飛ばしてみたがムダだった。

f:id:cafenoir-panda:20180526211056j:plain

(目的地をスルーして飛ぶ飛行機、の図)

 

前日のうちに白浜の主な観光地を回っていたので(※海関係の観光地はコンパクトにまとまっているので3時間もあれば全部回れる)この日の目的はアドベンチャーワールドのみ。白浜駅からアドベンチャーワールド行きの路線バスが出るというので早朝にホテルをチェックアウトしてきたのだった。が、ここで想定外の事態が。

アドベンチャーワールド行き路線バス、始発が9時半過ぎ』

いやおかしいでしょ、今の時期の開園9時半なのに。どう考えても間に合わないじゃないか。

たいていのガイドブックやパンダ関係の本には『パンダは開園直後が一番活動的』と書いてあるし、実際上野でもそうだった。っていうかネット検索でいくつか読んだアドベンチャーワールド体験記でもパンダを見るため開園前から並ぶ人々の話がよく出てくる。つまり朝一番で入園してパンダを見に行くのはほぼデフォだろうに。

そうはいっても現実にバスが出ないのだから仕方ない、タクるか。…1500円以上かかるけど。バスだと300円だけど。タクシー会社とバス会社結託してるんじゃなかろうな?とかちょっと思ったけど、それはまあおいといて。

 

駅前で客待ちしていたタクシーの運転手さんは明るく、慣れた風情だった。「お姉ちゃんよかったな、今日はすいとるわ。パンダとよう喋れるで」「大きな荷物は入る前にロッカーに入れとき。入口の左にあるからな」等々アドバイスしてくれる姿にやっぱりここは観光地なんだなあと感心しつつ、車は十数分で山の上のアドベンチャーワールドへ。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211108j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211110j:plain

 

広大な駐車場の奥に姿を見せた巨大建物の前には、まだ開園1時間前だというのに30人前後がたむろしていた。だが運転手さん曰く「やっぱり今日はすいてる」。

言われたとおり荷物をロッカーに入れて入場券を買い(先に買えるのはありがたい。ちなみにクレカOK)待機列へ。入場ゲートの向こうにドルフィンタッチなど園内イベントの当日受付ブースが3つ。大半の待機客はそのイベント券目当てに並んでいるらしい。

徐々に開園待ちの客が増えていき、開園5分前になるとスタッフさん達がいきなり大量に現れて歌ったり踊ったりクイズ大会を始めたりしだした。あ、明るい…インドアオタクには眩しいリア充世界。デ○ズニーランドもこんな感じなのかな…と中学以来行ってない場所に思いをはせてみたりもした。そして待望の「それでは開園です!」の声で園内へ。

 

推測どおり、自分の前や横にいた人々はイベント受付ブースへと殺到。それを横目にアーケード内を小走りで抜けた。左右は小奇麗な店舗やレストランが立ち並び、スタッフさん達が笑顔で手を振り挨拶してくれる。…ごめんなさい、今それどころじゃない。

上野で培った競歩もどきで事前に頭に叩き込んだパンダラブ(=子世代パンダ3頭の飼育施設)へ向かう。地図を制す者人気動物を制す、巨大カメラのおじさん達との動物園内攻防で学んだ知恵だ。ぐずぐずしていると黒山の人だかりの隙間からようようパンダを覗く羽目に陥ってしまうだろう。

 

アーケードを出て屋根つき通路をひたすら進むとふいにぱあっと視界が開けた。青空の下に綺麗な芝生、そして。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211111j:plain

…は?

 

目を瞬かせて二度見、いや五度見くらいした。いる、なんかいる。いやなんかっていうか、白と黒の…え、うそぉ?!

あまりにも普通にそこにいた。周囲は誰もいなくて、目の前にはパンダ。近い、ガラスがない、パンダいる。えっ本物? 夢ではなく? 作り物でもなく?

なんていうか雑誌とかで見た写真のまんまの光景すぎて、多分しばらく呆然としていたと思う。ややしてはっと我に返った。写真、写真!

連写に近い状態で撮影し、ものすごく満足してスマホを下ろした。本物のパンダはもちろん見たことあるけどこんな近くで素通しで見るの初めてだわーここに来た甲斐あったわーああパンダかわいいなあ最高だなあ~。目的をほぼ達成したような気分で一息つき、そしてまた我に返った。…ここ、パンダもっといるよね?

今目の前にいる子が誰だかよくわからないけど(※開園直後は名札が出てなかった)あと2頭いるはずで。えっ、どこ?どこにいるんだ?! ぐるぐる周囲を見回して、しばらくして隣にでかい建物があるのに気がついた。よくよく見るとお客さんが中に入っていってる。そこか!

 

f:id:cafenoir-panda:20180527221417j:plain

いたあああああああああああ

涼しい、晴天の屋外から見るとちょっと薄暗い部屋の中にガラスで仕切られた芝生敷きの空間が2つ、パンダが2頭。ちょうど飼育員さん?が名札をつけにやってきて、左が桜浜、右が桃浜の双子パンダだということがわかった。ということはさっきの外の子が末っ子・結浜か。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211118j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211119j:plain

左・桜浜、右・桃浜

 

パンダ…パンダ…すごい…かわいい…と30分以上3姉妹を堪能して今度はブリーディングセンターという親世代パンダ達の住処へ。ここは少し奥まったところにある。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211123j:plain

パンダラブと違ってこちらはガラス越しの対面だが、それでも上野で慣れた身からすると充分すぎるほど近い。そしてお客さんもそこまで多くないのでゆっくりじっくり見られる。

f:id:cafenoir-panda:20180526211126j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211129j:plain

左・永明パパ 右・良浜ママ。親世代もかわいい。あと気のせいかもだが愛想がいい。

f:id:cafenoir-panda:20180526211124j:plain

壁にはアドベンチャーワールドとパンダの関わりについての説明、歴代パンダ達の写真などが。

 

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211134j:plain

隠れパンダ

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211143j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211146j:plain

パンダラブに戻ると双子はお休み中。寝ててもかわいい。なにしててもかわいい。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211154j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211159j:plain

f:id:cafenoir-panda:20180526211137j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211136j:plain

パンダ以外にも見どころがいっぱいあるアドベンチャーワールド、イルカショー見学やホッキョクグマのおやつタイム、サファリパークのおやつ体験などもやりにいった。余談だが、この辺の見学や体験は無料~小銭程度でできる。

f:id:cafenoir-panda:20180526211151j:plain

昼食のカレー。レストランや屋台は軽食から本格的なものまでそこらじゅうにある。

 

そして午後、いよいよ今日のメインイベントへ。まずは13時過ぎからのパンダラブツアー。

f:id:cafenoir-panda:20180526211309j:plain

パンダラブの隅の方(演劇ジャンル的に言うと上手の奥)に小さな看板が。バックヤード系のアトラクションはすべてここが集合場所らしい。

時間の少し前、白黒の制服に頭にパンダのカチューシャをつけた優しそうな女性がやってきた。仙台出身だと自己紹介したその飼育員さんが点呼をし、その辺にたむろっていた我らをパンダラブの裏側に連れて行ってくれる。ちなみに参加者定員15人のうち、1人参加は自分だけ。あとは小さい子連れファミリー・ご夫婦・カップル・姉妹っぽい女性同士…など。ひょっとして、みんな偶数での参加だから最後の1枠で入れたのかしらん…なんて思ったりして。

バックヤードに入る前に注意事項の説明と手足の消毒、そして配られた小冊子を用いた簡単な解説が。そこで判明したのが「今回の参加者全員、アドベンチャーワールド初来訪」これには飼育員さんも少し驚いてたし自分も驚いた。なんとなくだけど、こういうアトラクションって参加何十回目みたいなマニアばっかりになるイメージだったから。言われてみるとでっかい一眼レフみたいなの持ってるのは1~2名で、あとはスマホや普通のデジカメ持参。なんだ、もっと濃い世界なのかと思ってたからちょっと安心した。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211311j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211312j:plain

左、パンダラブの裏にあるごみ置き場。といっても臭いもなく綺麗に整頓されてる。右、そこから飼育員さんが拾ってきたパンダお食事後の笹。ところどころ葉の先が平行に切られてるのがパンダが握って食べた跡。飼育員さんが笹と一緒に手に持ってるのが配られた小冊子。

ちなみに葉がいっぱいついててフレッシュな笹と、ちょっと葉が黄色くなってるけど柔らかな新芽が根元から出ている笹、どちらを食べるかは与えてみないとわからないとのこと。笹や竹、タケノコは大阪と京都から週4回トラックで飼育員さん達が取りに行くそうで(それも食べない場合に備えて園内にも笹が植えてある)、冷蔵庫という名の6畳くらいの保存部屋も見せてもらった。天井から1時間に1度ミストが出て新鮮さを保ってるのだとか。

そうそう。ここから先、パンダご対面部屋までバックヤードは一切撮影禁止。なのでポンコツ極まりない自分の記憶だけが頼りとなる。間違ってたらごめんなさい、という。

 

アルコール入りとノンアルコール、どちらも揃えられている親切仕様の消毒スプレーで手を消毒し、消毒液が染みこんだマットの上で足踏みして靴を消毒し、いよいよバックヤードへ。入ると中は明るく、涼しかった。パンダの出身地・四川高地の気候に合わせて1年を通して20度ほどに保たれているのだそう。

狭い通路の、入口側から見て右に人間の身長と同じくらいの(だったと思う)銀色の大きな檻が5つくらい、左にそれより数回り小さな銀色の檻が1つ。大きな檻の中にはステンレス製っぽい腰くらいの高さのすのこ状の台。その大きな方の檻がパンダ3姉妹の寝室で、すのこっぽい台がベッドだそう。…床がタイルでベッドがステンレス(仮)って、寝心地悪くないか? それともあの毛皮が天然のお布団になるのかしら。

ちなみにどの部屋=檻がどの子の寝室とは決まっていなくて、その日最後に出ていた運動場に一番近い寝室に入るので日によって違うらしい。各パンダの名前と写真がついた手のひらよりちょっと小さいくらいのマグネットが檻に貼ってあって、それが目印っぽかった。

寝室同士をつなぐ檻がついた通路の一部は床が体重計、さらに檻の壁が可動式になっていてパンダを脇から挟んで固定できるようになっているそう。これはパンダに限ったことではなく、猛獣飼育の現場にはほぼ必ずある設備だとか。動けないように固定して怪我の治療などにあたったりするそうだけど、パンダラブでは治療目的で使用されたことはまだないらしい。

パンダはあの外見だけど毛皮の中身はスリム、かつ筋肉質で力持ちなので完全に動けないように固定するとなると相当壁を狭めなければならず、大人4人がかりで機材を引っ張らないといけないという話をしてた。

そして小さい方の檻はパンダの移動用の檻。配られた小冊子によると車輪付きで、パンダを入れてブリーディングセンターとパンダラブの間を移動したりするらしい。横にA4くらいの穴が開いていて、そこから中にいるパンダに腕を出させて飼育員さんが差し出すレバーを握らせ、血液検査や永明パパの血圧測定などをするのだそう。血圧、人間みたいにバンド巻いて測るらしい。…あんなモフモフの毛皮があっても測れるのね、血圧。

注射やら血圧測定やらなんで素直に応じるのかといえばちゃんと仕掛けがあって、腕を出してレバーを握ると大好物のハチミツがもらえると条件付けされてるそう。ハチミツはこういう検査時にしかもらえない超貴重なおやつなのでパンダは「うひょー!ハチミツ!」と嬉々として腕を出し、下手したら終わっても離さないらしい。さらに「パンダは2つのことを同時に考えるのが苦手」なので、ハチミツに夢中になってる時に針がチクッとしてもあまり気にしないんだとか。単純…かわいい…。

 

その先に進むとオープンキッチン、もしくはお料理教室みたいな空間が。人間用の冷蔵庫や調理台などが並んでいて、そこでエサの準備をするらしい。壁の大きなホワイトボードに3姉妹の名前といつどんなエサをあげたか、エサ用冷蔵庫のどの区画にいつどこで採取した笹がどれくらいあるか、そういうことがびっしり書き込んである。そして足元の棚?には笹と、パンダの名前がマジックで書いてある金属製のバット(※料理用のね)が。ニンジンやりんご、そしてなんか茶色いのがいっぱい入ってた。

f:id:cafenoir-panda:20180526211436j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211437j:plain

(パンダご対面後、撮影可能になった部屋で撮ったもの。こんな感じのが棚っぽいとこに入ってた)

 

茶色いなにか、飼育員さんによると「パンダ用のビスケットです。市販品ですがパンダ専用というわけではなく、実は草食性のサルのもの」だそう。さらに「上野などではパンダ団子というものを手作りしているそうですが。ここは最大で9頭いっぺんに飼育していたこともあり、1個ずつ手作りなんてとてもとても」と。なんとなくだけど公営と私営の違いが見えた気が)

 

そんなこんなで自由に質問を受け付けつつ、ついに奥の部屋に。ここで担当の飼育員さんが大阪出身の方にバトンタッチ。この向こうにパンダがいます、という声で興奮MAXな参加者達にまた諸注意があったのだけど、その中で印象に残ったこと。

「カメラ類のフラッシュは禁止です。もし設定がわからない方がいましたら私達に声をかけてください。確認します」

フラッシュの止め方とかそもそも設定がどうなってるかとか、わからない人いるもんね。いい案だなあ…と感心。そしていよいよご対面の時が…!

 

というところで長くなったので次に続く。待て次号。

 

cafenoir-panda.hatenablog.com

 

 

 

オタク、パンダの王国へ行く~後編~

【前回までのあらすじ】

関東民のオタク、パンダにハマる→和歌山遠征→白浜のアドベンチャーワールドにてパンダのバックヤードツアーに参加→いよいよ世界のアイドル・パンダ様とご対面…!

(※詳しくはプロローグ前編参照)

 

実は一番奥の部屋、諸注意を受けてる間はパンダが見えなかった。でもどうして見えなかったのかは覚えていない。まあつまり、記憶が飛んでるってことなのだろうけども←ナマのご本尊を前にした前後のオタクにはよくある事象。

 

それでは、ご登場です。

f:id:cafenoir-panda:20180526211318j:plain

パンダ――――!!!!

 

本物だ、本物パンダが目の前に。超近い、2mもない。自分がいまどきのお嬢さんならこう言ったろう、「パンダまじパンダ」。っていうかもうそれ以外言いようがない。パンダまじパンダ。

f:id:cafenoir-panda:20180526211325j:plain

パンダがパンダ座りしてる…まじパンダ…超パンダ…。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211343j:plain

どアップにも耐える世界のトップアイドル。

 

この子は三姉妹の一番お姉さん、3歳の桜浜。パンダラブツアーのご対面コーナーは現在、双子の桜浜と桃浜が交互に担当している。うん、パンダラブツアー直前にパンダラブに行ったら桜浜がいないからそうかなあとは思ってた。桜浜、ふくふくとした丸顔に大きな耳の美少女パンダだと写真で見て贔屓にしていたので嬉しい。ちなみにパンダの3歳は人間で言うと中高生くらいだそう。

ご対面コーナーの檻と自分達との間には赤いテープが張られていて、この中には絶対入ってくれるなと厳命される。そして飼育員さんが桜浜に笹などを差し出しながら生態などについてまず説明。

f:id:cafenoir-panda:20180526211340j:plain

ニンジンが取りたい桜浜。

パンダは5本の指に加えて人間で言うところの手の下方に「第6・第7の指」と称されるコブがあり(※本当の指ではない)、それを使って細長いものを掴むことができる。でも指先でなにかをつまむということはできないので、こういった小さいものを取りたい時は舌を使うのだそう。器用さで言うと「クマ以上サル以下」@飼育員さん。

f:id:cafenoir-panda:20180526211346j:plain

パンダ3姉妹の中で一番マイペースだという桜浜、なかなかおやつあげ体験の定位置につかない。でもそこがまた超絶かわいいのでまったく無問題。むしろずっとそのマイペースっぷりを見ていたい。

ちなみに今までに桜浜は2回、桃浜は1回、ツアー中に眠ったまま起きなかったことがあるそうで「その3回、全部私が担当の日だったんですよね…」とは担当の飼育員さん。そういった場合は双子のもう片方を急遽代打として呼ぶのだそうだけど、今回は「ごろごろ転がってますけど目がしっかりしているので大丈夫だと思います」とのこと。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211354j:plain

やっとやる気になったかに見えた桜浜。

飼育員さんに1m近くあるだろうフォークにニンジンを突き刺してもらい、檻越しにあーん。1人2回体験できるということで、撮影してほしい人は近くにいる飼育員にカメラを渡してくださいねという親切設計。

ところが。

f:id:cafenoir-panda:20180526211357j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211401j:plain

おやつあげ体験2人目にして突如、床に転がるやら奥にある椅子にのぼるやらそこから前転で降りるやらといった奇行に走る桜浜。なんだなんだかわいいなと思いきや。

「おやつがニンジンなのが不満みたいですねー。リンゴ持ってるの知ってるので…替えましょう」

苦笑しながらフォークにリンゴを刺してそれで檻を叩き、「おうひーん」と呼ぶ飼育員さん。パンダは目があまりよくないけれど耳がよく、お客さんに混ざって飼育員さんが声をかけてもちゃんと反応するそう。また頭もわりとよくて、桜浜のお父さん・永明はかつて「ねだると他の人より好物をちょっと多くくれる飼育員さん」をちゃんと覚えていて、その人には特に駄々をこねていたそうな。

余談だがおやつの前、パンダは笹をえり好みするという説明の時に「桜浜―」と飼育員さんが笹を出す→ぺしっ→「これじゃないのね。じゃあこっちどうぞ」→ぺしっ→「…これも違うの。ああ、そう…」ってなってておかしかった。

ややして戻ってきた桜浜、リンゴに満足したらしくお仕事復帰。

f:id:cafenoir-panda:20180526211427j:plain

途中、フォークの持ち方等がよくわからなくてリンゴを持ったまましばらく時間をかけたキッズに「わざと焦らされた」と勘違いして若干へそを曲げ(※飼育員さん談)また奥に遊びに行っちゃったりもしたけれども。15人全員が2回ずつおやつをあげ、和やかにおやつタイム終了。…と思いきや。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211509j:plain

端っこの記念撮影ゾーンに移動し、椅子に乗って立ち上がる桜浜。なんだなんだ。

「あー…桜浜は段取りを理解しすぎてるので…この後、桜浜を立たせて観察してもらってからそちらで撮影なんですけど、全部一緒くたにやっちゃってますね…」

賢いな!さすがだすごいぞ!と自分は思ったものの、「そこに立たれるのは困るので、こっちに戻ってきてもらいます」と飼育員さん。例によってフォークの先におやつをつけて檻をカンカンカン。

f:id:cafenoir-panda:20180526211517j:plain

改めて檻ゾーンでスタンダップ。やがて来る性成熟期に備えて足腰を鍛えるため、こうやって立たせるトレーニングをするのだとか。

自分達がいるところより若干床が高いといえ、飼育員さんの身長と比べると結構大きいのがわかる。あと、胸のところの白黒ははっきり色分けされてるわけではないとのこと。

f:id:cafenoir-panda:20180526211521j:plain

あらよっと、みたいな謎ポーズ。

 

そしていよいよ写真撮影会へ。まず飼育員さん達が自分たちの後ろに黒い幕を張った。ガラスへの映り込み防止らしい。至れり尽くせりだな。

f:id:cafenoir-panda:20180526211525j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211527j:plain

大きなガラスの前にベンチ的なものがあって、人間はグループごとにそこに座って撮影。ピンでもグループでも写してもらえるし、カメラ類を飼育員さんに渡して撮ってもらうことも可。自分は1人だったので飼育員さんが撮ってくれた。あとで確認したら縦も横も数枚ずつ写してくれてた、さすがだ。

 

撮影会終了後はフリータイム。自由に撮影できるし、壁の説明文や持ってきてくれた本物のパンダの爪やへその緒などの貴重な資料を見るのも自由、飼育員さん達への質問も自由。その前に「桜浜にお礼をしましょう」という声が。

f:id:cafenoir-panda:20180526211536j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211537j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211538j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211539j:plain

お礼の品・タケノコが出てきた途端に目の輝きと表情ががらりと変わる桜浜。うまぁー!タケノコうまぁー!と大喜びしているのが自分達一般人でもわかる。タケノコはこの季節だけのご馳走で、柔らかい&ちょうどパンダの乳離れの時期が旬なので離乳食にも使われるそうな。

ちなみにしっかり者の妹・桃浜はすでに撮影会ラストにタケノコが出てくるのを知っていて、早くタケノコ出してと催促してくることもあるらしい。

f:id:cafenoir-panda:20180526211549j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211551j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211553j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211555j:plain

かわいいofかわいい。悶絶するほどかわいい。さすが世界のアイドル、かわいい力ハンパない。

タケノコ?これ竹だろって思われる向きもあるかもだけど。人間が好むタケノコとパンダが好むタケノコは違ってて、パンダ用は1m以上育ったものらしい。実際、エサ用冷蔵庫の中に人間の背丈くらいのタケノコ…っていうか育ちすぎて竹になる寸前のがいっぱい置いてあった。

あとこの画像見てわかるとおり桜浜は左利き。妹2頭は確か右利きって言ってたような。パンダの利き手の割合はほぼ半々らしい。毛が茶色なのは食物や加齢などの影響だそうで、年齢が上がってくるごとに茶色になっていくそう。なのでアドベンチャーワールドでは1歳の結浜が一番白いんだとか。そしてこの茶色は水浴びでは落ちないらしい。

(上野の12歳ペア・リーリー&シンシンの方がここのパンダ達より白くないか?と思ったけども。どうしてかは聞けなかった)

 

フリータイム中に飼育員さんがパンダの白い部分の毛でできた筆状のものを触らせてくれたのだけど、これがゴワゴワ。お習字の筆以上タワシ未満くらいの硬さ。見た目と違う。

ここでずっと気になってて、絶対質問してやるんだと思ってたことを聞いてみることに。「あの…赤ちゃんパンダってふわふわもこもこですよね…まん丸くて…」ここでハッとなって「結浜ちゃんの赤ちゃん時代の映像とか見ると…」と付け加えた自分、 小心者。「実際どうなんでしょうか?」シャンシャン見てて気になってたとバレるだろうか…とヒヤヒヤする自分の前でにっこり笑ってくれた飼育員さん、「赤ちゃんは綿毛みたいに柔らかくてふわふわしてるんです」と。うひょーやっぱりふわふわなんだ、シャンシャンは…!

 

そしてすっかり自撮り大会になってる会場内、唯一ぼっち参加の自分を気にしてくれてたみたいで「お撮りしましょう」と複数の飼育員さんが声をかけてくれたのだけども。

違うんだ、自分は古のオタクなので「自分とご本尊」の2ショにはそんなに興味ないんだ…ただひたすらご本尊の話を聞いてご本尊の写真が欲しい、それだけなんだ…! …とは言えないので「大丈夫ですーありがとうございますー」と笑顔でかわす作戦。

 

差し出されたipadでアンケートに答えたりしてるうちにいよいよ終わりの時間が。「最後にみなさんで桜浜にばいばーいと手を振りましょう」という、大人女子にはちょっときっついなあという指示が。ところがこれ、ちゃんと意味があるそうで。

「最後に」と「バイバイ」という声がツアー終わりの合図である、とパンダ達に条件付けしてあるのだそう。そしてその声をきいた途端

f:id:cafenoir-panda:20180526211602j:plain

なぜか自分の出口によじ登る桜浜。終わったんだから帰らせてーと言いたかったんだろうか。ありがとう桜浜、お疲れさま。

 

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211606j:plain

パンダラブの運動場に戻ると屋内担当になった結浜がお昼寝中。さっき言ってた前足のコブが見える。

 

 

その後14時過ぎからは「パンダ塾」という学習系アトラクションが。ただ、こちらに関してはネタバレしてしまうと面白くないと思われる方もいるかもしれないので、内容に関してはざっくりとだけ。

 

まず前編で紹介した集合場所で飼育員さんから参加者の点呼を受け、プリント2枚と鉛筆と筆記用台紙、さらに白黒のペットボトルホルダー状のものが手渡された。そのホルダーは首からぶら下げられるようになっていて、中にはイヤホンと小さな受信機っぽいものが。バックヤードに行く前に一般観客に混ざってパンダの観察をするので、人混みの中でも飼育員さんの解説がきけるよう(そして他のお客さんの邪魔にならないよう)イヤホンをつけるという寸法。

ちなみにイヤホンを配ってくれた飼育員さんがパンダラブツアーで最初に担当してくれた仙台出身の飼育員さんで、うわっ「何度も来やがって」と引かれるかもと少しビビったけども。予想に反してとても喜んでくださった。ありがたや。

イヤホンでパンダトリビアを聞いたり、屋外の広場に集まって道具を使ってパンダの生態を勉強したり。そのあと実際にバックヤードに入り、パンダラブツアーと同じように施設の見学。違うのはパンダご対面部屋に映写設備が用意してあってVTRによる学習があったこと、それから「体験して学ぼう」系のイベントがあったこと。

ちなみにこのパンダ塾、内容が季節によって違って、春夏秋冬全部受講するといいことがあるらしい。スタンプカード的なものをもらえるので、複数回行く人はチャレンジするといいかも。

 

 

そんなこんなで2つのイベントが終了。

f:id:cafenoir-panda:20180526211628j:plain

戻ってきたら屋内運動場を結浜に譲った桜浜、外担当になってた。

 

2つのバックヤードツアーで印象的だったのは、バックヤードが明るく清潔に保たれていたこと。金属部分はどこもぴかぴかだし、床の白いタイルも綺麗に洗われている。パンダはいつも食べてる分、排泄物もいつも出るそうなのだけど、パンダラブツアーの数十分後に同じ部屋に行ってみたらそこにパンダがいたのが夢だったかのように跡形もなく綺麗になってた。

あと、動物を飼っている施設ってどんなに頑張ってもいわゆる獣臭さがつくものだと思っていたけど、各施設もバックヤードもまったく匂わなかった。超間近にパンダがいる時もそう。強いて言うなら草っぽい青い匂いだけど、笹や竹がオープンスペースに山ほど置いてあるのだからそれは仕方ないし臭いとは思わなかった。仮にパンダ自体があまり臭いがきつくない生き物なのだとしても、場を清潔に保つために懸命に努力してるのだろう。

 

そして。「パンダは背中を何かにもたせかけて楽な姿勢で座る習性があります。アドベンチャーワールドでは運動場のお客様側を低く、奥を高くして、パンダが自然にお客様側を向いて座るようにしています」これを聞いて、ああここは公営の動物園ではなく(いい意味で)私営の商業施設なんだなあと思った。

運動場に傾斜をつけるのは若いパンダの足腰を鍛えるためだと本で読んだけど、それとお客様サービスを同時に叶えようという発想、公営施設ではあまりなさそうな気がする。どちらがいいとか悪いとかじゃなくて、根本的に違うんだなと。どちらもいいと思う、個人的には。

 

それから飼育員さん達。パンダ関係では女性の飼育員さん達しか見なかったけれど、みんな明るくて柔和な感じがした。歌うような声で「おうひーん」「とうひーん」と呼ぶ彼女達と、「なあに?」と言いたげに顔をあげるパンダ達。いい関係なんだなと思った。

アドベンチャーワールドで売っていたパンダファミリーの本の中に、中国に旅立つパンダ達との別れの話が載っていた。いいお母さんになってほしい、と飼育員さんが語っていた。それを読んで思い出したのは以前トークイベントで聞いた上野動物園前園長の言葉。シャンシャンを返さないでほしいという観客の訴えに「気持ちはわかるが雌パンダは4~5歳で性成熟期を迎える、その時にパートナーもなく1人ぼっちだったらかわいそうなのはシャンシャンです(※要約)」と穏やかに答えていた。

十二国記という小説がある。その中に神獣・麒麟とそれを育てる女仙という存在がいる。麒麟女仙達のいっぱいの愛情を受けて成長し、大人になると与えられた役目を果たすため彼女達のもとを去る。女仙達は幼い麒麟に愛情を注ぎ無事旅立たせるためだけに存在する。――――飼育員さん達もそういう存在なのかなとあそこに行ってぼんやり思った。

 

f:id:cafenoir-panda:20180526211643j:plainf:id:cafenoir-panda:20180526211644j:plain

白浜に1社しかない路線バス会社。パンダ模様。

 

 

アドベンチャーワールドはすごく楽しい施設で、1日じゃとても回りきれない。パンダだけでも1日中見ていられる。

ただ、関東民からするとネックとなるのはとにもかくにも交通の便…。JALの羽田ー南紀白浜便は前述したとおり1日3便、大型の機材が飛ぶようになったと宣伝しても90人ちょっとしか乗れないのでハイシーズンや土日は発売当初から争奪戦となる。加えてJALは自前のツアーを持ってるから、その分座席が減るし。大阪から当日入りしようとすればレンタカーや自前の車を使わない限り高速バスも特急も開園時間に間に合わないから、1泊余計に取るか体力消耗覚悟で夜行バスに乗るか、もしくは午前中は捨てるか。余談だけど南紀白浜便、羽田の最終は16時台。

じゃあJALのツアー使えば?となるけど、利用は2人からしか受けてないという。ぼっち客は歓迎してないんだろうな、温泉地だもんな…という。そう、ホテル利用もぼっち客には優しくない。たまたまスポーツの国際大会とぶつかったので余計だろうけど、ビジネスホテルがほぼないのでぼっち客だとものすごく条件が悪くなるとこ多数。温泉地だから仕方ないんだけども。

特急なり飛行機なりで白浜入りしても、今度は公共交通機関が発達してないという罠が。前回書いた通りアドベンチャーワールド行きのバスは朝出てないし、夜もバスがさっさと終わってしまうのでその後は徒歩かタクシーか。地方にありがちといえばそうなのだけど完全なる車社会。

そしてランチを食べる場所は多いのに居酒屋以外で夕方以降なにか食べられるところは数えるほど。1泊目は夕食付にしなかったのだけど、食べるところを探すのに結構苦労した。観光客は旅館やホテルで食べるのを前提として町が作られてる感。コンビニも町内に数えるほどしかないし←まず駅前にない。

 

シャンシャンがブームになった頃、県知事さんその他がしきりに「パンダを見るなら和歌山で」って宣伝してたけど。まずこの辺をどうにかしないと、関西の人とよほどのマニア以外は「行きたくてもねえ…」で終わるんじゃないかなあと余計なことを思ってしまう。

自分も地方で暮らした経験あるから車社会で公共交通機関が衰退してしまうのはよくわかるし、飛行機の便数や機材は簡単には変えられないんだろうけど。

そんなに他地方からパンダ客を誘致したいなら、せめてかき入れ時くらいはどうにかしてくれたらいいんだけどなあ…と他力本願なことを考えたところでオタクの旅の記録は終了。おつかれさまでした。

オタク、パンダの王国へ行く~プロローグ~

 

最初に書いておくが私はいわゆるオタクである。趣味も気質も含めて自他ともに認めるオタクだ。普段はツイッターで好きな作品だの俳優だのについて、ああでもないこうでもないと日々ダラダラと呟いている。

 

そんな自分が2017年、とあるものに夢中になった。

 

 f:id:cafenoir-panda:20180523215235j:plain

シャンシャン

 

元々パンダは好きだった。幼稚園の頃、祖父が忘年会の景品でもらってきたパンダのぬいぐるみに『パンダポンダ』と名をつけ、屋内だろうが屋外だろうが川遊びだろうがどこへでも連れて行ったほどだ。白黒だったはずのパンダポンダは数年で灰色になり何度も首や手足が破れ、引っ越しと自分のアレルギー発症によりお別れせざるを得なくなった時は大泣きした。…そんな話はどうでもいいのだが。

とにかくパンダが好きだった。だが居住地が南関東とはいえ、パンダが住む上野動物園は家から余裕で1時間以上かかる遠い遠い場所。人生の中で上野に行ってパンダを見たのは子供の頃含め2回ほどしかなかった。見たのは1代前のリンリンと、多分フェイフェイかホアンホアンのどちらかだと思う。

パンダは好きだがあれは動画や写真やぬいぐるみなどを見てかわいいかわいいというものだと思っていた。…その認識を打ち破ったのがシャンシャンだった。

 

シャンシャン誕生直後からその愛くるしさに夢中になった自分は一般公開開始直後の抽選に応募しまくった(といっても週末だけだが)、そして落ちまくった。シャンシャンは私を愛してないのね、などと意味不明なことを呟きながらいつかシャンシャンを生で見られる日を夢見ていた。そして2018年2月、抽選から先着順になり、やっとシャンシャンをこの目で見た。そして2週に1度通うことになった。―――といっても、今回の本題はシャンシャンではない。

 

世間がシャンシャンフィーバーに沸く中、知事さんその他の和歌山や関西の関係者達は盛んに言っていた。

「和歌山のアドベンチャーワールドにはパンダが5頭もいて好きに見られるのに上野は騒ぎすぎ」

いや和歌山にパンダがいるのは知ってるけどシャンシャンはいないじゃん、っていうか私のシャンシャンにケチつけるのかオラ。少々ムッとしつつ、でもパンダ5頭はいいな…と検索してみたら。「広い敷地でのびのび暮らすパンダ達を心ゆくまで見られる」「パンダにおやつがあげられるバックヤードツアーあり」え、なにそれ素敵。いやでも、和歌山は遠いなあ…。

自分の趣味及び活動ジャンルは演劇で、遠征で関西に行くことが年に何度かある。だから劇場が多い大阪駅周辺と西宮には馴染みがあるし、そのあたりだとまったく抵抗がなく飛んでいく。だが申し訳ないことに、南関東の住人である自分にとって上記地域以外の関西は『よくわからないけど遠い』という認識。なので当初は「和歌山のパンダ、いつかは見に行きたいねえ」くらいなものだった。

 

ところが。シャンシャン公開によりパンダ熱が高まった自分、それに加えて2月中旬頃に体調を崩して以降は病院とお友達な生活に。ちょうど仕事が節目を迎えたこともあり、「記念と気晴らしにパンダのバックヤードツアーに行きたい」とうっかり思ってしまった。

調べると基本的に毎月1日の11時頃から翌月のツアーの受付をするらしい。先着順で各日定員15名。値段は50分7千円だが「50分も世界的アイドルの楽屋にお邪魔してマネージャー…もとい飼育員さんの裏話を聞けて、しかもご本尊と会えてお話…はできないけど、手紙も渡せないけど、でも貢ぎ物(=おやつ)を直接渡せて2ショ撮れてフリーで撮影もできて、それでこのお値段ならお得かも」という、芸能系界隈にいる人ならまあわかってもらえるだろう金銭感覚の前ではまったく無問題。

他にJALがパッケージツアーの付属で同じツアーをやっているらしいが、申込みは2名から。試しに家人に「ねえ、和歌山行きたくない?」と聞いてみたが。「いいねえ、熊野古道高野山?」「…いや…パンダにおやつをあげられるツアー…」「あ、パンダはいらない」ですよねー興味ないの知ってたし。

 

ところで自分はフルタイムで働いており、職場に携帯端末類を持ち込めない職業だ。そして月末月初は繁忙日で休暇申請ができないことになっている。なので1日が平日の場合、パンダラブツアーという名のバックヤードツアー申込そのものに参戦できない。和歌山行きは『1日が土日祝にあたる月の翌月』に限られる。

その時点で1日が土日祝になる直近の月は4月。ってことはパンダに会いに行けるのは5月だ。うん、一番好きな俳優の舞台は入っていない。オッケーオッケー、これも天の配剤だろう。

 

ってことで4月1日、スマホとPCとでパンダラブツアーのチケット争奪戦に。何度も言うが自分の趣味兼ジャンルは演劇、発売日のチケット取りは十年以上前から百回以上は経験している。素人さんに負けるわけにはいかない。

11時、おっしゃー行けーっとぽちっとしたものの。そこまでサーバが強くないのか、繋がるものの最後の最後でエラー表示の繰り返し。うわーこれ一番嫌なパターン…!と冷や汗をかきつつしばらく粘ってたら、ふっと次の画面へ。や、やったああああああああパンダに会えるよおおおおお!!

 

ってことで決行は5月の19日に決定。ついでにまだ余裕があった『パンダ塾』も申し込む。こちらはパンダとのご対面はないものの、バックヤード見学と飼育員さんによる解説が聞けるというもの。パンダのことを飼育員さんから直接聞ける機会なんてそうそうない、少なくとも上野ではほとんどない。貴重な機会は最大限活かさせてもらわねば。

 

羽田ー南紀白浜空港間往復の飛行機が全然取れなくて、特急くろしおでの当日移動では開園時間に間に合わなくて、なんだかんだで金曜も休みを取って関空から高速バスで白浜入りすることになったり、白浜のお手頃かつ1人客OKな宿がほとんど見つからなくて苦労したり、前述の体調不良がとうとう大学病院送りになったものの「ヤバいものが見つかったら遠征が中止になる!」と各種精密検査の結果確認受診の日程を遠征後に設定すべく画策したりと、様々なハプニングがあったものの、

(後で知ったことだが自分が行く予定の土日に白浜町では国際トライアスロン大会が開催予定で、白浜町周辺の数百人分の部屋が大会関係者によって押さえられていたのだった。おそらく飛行機も同様)

なんとか足も宿もゲットしてあとは当日を待つばかりに。ぐはー、ついにパンダ王国だー!

f:id:cafenoir-panda:20180526204743j:plain

いてもたってもいられず、こんなのまで作った。痛バッグ文化とはジャンル的に無縁だったオタク、正直あれの意味がわからなかったがやっと掴めた。オタクとは萌えが高じると萌え対象のバッグを作る生き物だったのだ。なんでそんな習性があるのかは相変わらずさっぱりだが。

 

 

☆追記☆

自分が和歌山遠征した時によそ様の遠征記の交通手段や宿泊地記載などがずいぶん参考になった。なので自分も書いておく。

行き:羽田→関空(飛行機)→りんくうタウン駅(在来線)→白浜桟橋(高速バス・大阪白浜便)

帰り:ホテル→大阪・難波OCAT(ホテルの送迎バス)→関空南海電車)→羽田(飛行機)

 

1泊目:ルアンドン白浜

(急遽前泊を決めたものの、当日仕事を休めるかが直前まで不透明だったので「素泊まりor朝食付き、女性1人旅なのでバストイレ洗面が室内完備、駅or高速バス停留所から徒歩すぐ」の条件で探したところ。家族経営風の小さな宿で部屋が広く綺麗。でも温泉ではない)

2泊目:白浜古賀の井リゾート&スパ

(いい意味で「最新リゾートホテルの皮をかぶった昔ながらの観光ホテル」。放っておいてくれるところと甲斐甲斐しく世話してくれるところのバランスがいい。ツインルームをシングル利用させてもらったがとても快適だった。あと事前予約すれば白浜ー難波間の高速バスが無料)

 

白浜町内はいわゆるビジネスホテルがほぼないと言ってもいい。個人客に人気の廉価帯ホテルは研修所や保養所からの転用なのかバストイレ共同のところが多いので、そういうのが苦手な人はちょっと注意が必要かも。

 

 

ってことで続く。

cafenoir-panda.hatenablog.com